あれは忘れもしない、息子が6年生になった時のクラスの役員決めの時だった。前の年に私はある部の部長を務めていたもんだから、司会をやらなければならなかった。
案の定、出席者はなんと…… 約15名くらい、いや、10名くらいだったか。
そしてこれまた、お決まりの不幸自慢大会。みんな役員を断りに来ている。これはでも委任状提出して欠席してる奴よりはほんとまじめで几帳面で誠実なお母さんが方だとは思う。
でもね、みんながわざわざ出席して断りに来てるっつうのに、その中から選出しなくてはいけない。いちおう出席しているみんなが出来なかった場合、委任状提出した方の中から選挙で選出する方法があるのだけど、電話をかけて引き受けてくれなかった場合、その選挙は無効になってしまう。(これって、ほんっとにおかしいだろ? 何のための委任状なんだ? って思いたくなるだろ?)
これって、他の学年では多分起きないことなんだろうけど、6年生という場合、幾度も幾度も選挙をするという馬鹿馬鹿しい状態に陥ってしまうことがある。だって、委任状提出した方に電話しても断られたらそれまでなんだもの。6年生のクラスの役員なんて誰だって、できればやりたくないってみんな思ってる。電話かけても卑怯な奴は何度かけても出ない。お手紙には当日必ず出ることの出来る電話番号の記入をお願いしているのにもかかわらずだ。時間はおしてくるし、出席しているお母さんたちはもう不機嫌がもろ顔に出てるし、あからさまにでっかいため息なんかをついてくる。私の顔をにらみつけてくる人も出始める。そして極めつけは
「どうして、委任状で選出した方にしてもらえないんですか? こっちはちゃんと断りに来てるんです。これだったら、役員をやりたくない場合は委任状を出して、電話に出なけりゃいいんじゃないですか!」
まさに、おっしゃるとおりだ。言い返す言葉も無い。でも、私に怒られてもこまる。とにかく、その日のうちに決めなくてはならないし、何より、そこにいる人の中から選べと言われていたりするからだ。なぜかというと、引継ぎが翌日に延ばされたりすると大変だし、何よりみんなが帰ってしまって、電話でも決まらないということになると、ますます選出が困難になるからなのだ。
私が非難を受けて困っていても先生は知らん振りで座っている。PTA会長も来たけど、お母さんたちはもう無反応でむしろ怒ってしまっていて、何も応えない。
ほんとうに、怖かった。みんなの怒る顔が。なんとか無理やりに決めた時、みんながその人の周りに寄っていって、私に聞こえよがしに「ひどい話だよね、かわいそうに」と私のほうをちらちら見ながら言ってた。
私が悪いのか? そうじゃないだろ? この変な制度が悪いんだろ? 委任状が委任状の役目を果たさない、この制度が悪いんだろ?
そうじゃないのか?
で、私はあれからなんだか学校に行くとみんなの視線が怖いし、なんだか非難されてるような気がしてならない。誰とも目を合わせられないし、参観日に教室の中に入ることも本当はすごく嫌なのだ。いつもものすごい葛藤しながら教室に入るのだ。学校は怖い、お母さん方も怖い。役員なんてもう二度とやりたくない。